本のある暮らし

読書ブログ

【本紹介】あやうく一生懸命生きるところだった

こんにちは。
最近、誕生日を迎え24才になりました。
特別なことはせず、普通の一日を過ごしましたが、
[普通っていいな]と思いました。
皆様は、自分の大切な日はどのように過ごされますか?
ぜひ、コメントなどで教えてください。






前回の記事では、「自分らしさ」についての本ということで
奥平さんの本を紹介させていただきました。


qici888n.hatenablog.com




今現在、私自身も「自分らしさ」で悩み、迷い、もがいている状態です。
周りの方にも、年齢的に迷いやすくぶれやすい時期とよく言われます。
だからこそ、私と同じくらいの年齢で夢をもち、ぶれることなく突き進んでいる方を見ると、
きっとその人もいろんなことに悩んでいるというのをわかっているのに、羨ましくなってしまいます。
誰かと比べたって意味がないことも理解しているのに...
つい「もっともっと」と思って、もっと自分ならできると信じて頑張りすぎてしまう。


頑張ればいつか幸せになれる、そう信じてたくさんのことに対して努力してきたけど、
本当にそうなのかな?と思っていたときに出会ったのが今回ご紹介する本です。



あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン(文、イラスト) 岡崎陽子(訳)



<あらすじ> 『今日から、必死に生きないと決めた。』


40才を目前にしたある日、筆者は会社を辞めた。
辞めた理由や目的なんてない。
そこにあったのは、
どこからともなく聞こえてくる誰かの成功談によって常に感じる敗北感と、
一生懸命生きていくことへの嫌悪感だった。

『これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう。』

『ただ、一度くらい勝ち負けにこだわらない生き方をしてみたかった。』


頑張ればきっと何かが見えてくる、そう信じて全力で走り続けてきた筆者の、
【頑張らない人生】という、人生を賭けた実験であり、旅を綴る一冊。




<感想>



現在の社会では、「競争」が当たり前。
イギリスから始まった産業革命によって世界の技術力は格段に上昇し、
人々の生活が豊かになった一方で、あらゆる視点から競争が生まれました。

企業であれば、会社の規模、生産力、価格。
個人であれば、収入、学歴、仕事の早さ、付き合っている恋人までも比べようとして、
挙げようとするとキリがない。



何でもかんでも白黒つけようとして、息苦しいなとも感じます。


誰かに勝つことで得る優越感が自分を幸せにしてくれる。
お金さえあれば幸せになれる。

きっと、心の中ではそうじゃないとわかっている人もたくさんいると思うけど、
競争社会が当たり前のなかで生きてきた私たちは、変化を恐れて抜け出せないんだと思います。
私も、もっと自由にいきたいと思いますが、自由に伴う大きな責任が怖くて、
なかなか抜け出せません。


この本を読んで、正直なところ「それはわかっているけど、、、」と
思ってしまう箇所がたくさんありました。
例えば、次の文章。


失敗してもいい。失敗したときは後悔すればいいだけ。
きっと、他人の言葉を信じて群れを成した人々も、後悔するのは同じだから。

あやうく一生懸命生きるところだった ハ・ワン ダイヤモンド社(p.115)




何かを失敗したって、大抵の場合人は死にません。
だけど、その失敗で「今ある全て」を失ってしまったら...
そう考えてしまうと、失敗を恐れ、身動きがとれなくなってしまいます。
私は、人一倍失敗が怖く、傷つくことが怖い、プライドの高い人間です。
だから余計に、あれやこれやと失敗したときのことを考えてしまう。

この本を読んで、筆者に憧れました。
「えいやっ」と、自分が思う方向へ飛び込める人が羨ましいです。
(またこうやって人と自分を比べてしまう...)


頑張ることがいいこと、頑張るのは当たり前、という固定概念をずっと持っていた私ですが、
なんだか最近どんなに頑張っても空回りな気がしていました。

この本に出会い、沢山のことを考え、やっと
『頑張らなくてもいいんじゃないか』
と思えるようになりました。

どんなに努力しても必ず報われるわけではありません。
我慢し続けることで幸せになるなんてありえません

頭でわかっていても、行動に移すのは怖いし、とても勇気のいることですが、
『自分らしさ』を大切にするためにも、頑張らない生き方をできる人になりたいなと
思わせてくれる一冊でした。



ぜひ、ご一読ください。