【本紹介】試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。
こんばんは。
お盆休みも終わり、今日からお仕事が再開しました。
あまり出掛けることはできませんでしたが、一人で本屋さんにいったり、
自然に触れてきました。
皆様はどのようにお過ごされましたか?
一日でも早く、以前のように笑顔でおでかけができる日常が戻ってくることを
祈るばかりです。
いつもInstagramで読みたい本の記事を保存しているのですが、
ふと、その中に残してあった一冊を思い出し、ふらっと本屋さんに行きました。
恋愛の本が読みたいけど、甘々な気分でもなく、かといって悲しい恋愛の気分でもなく…。
穏やかで、ゆっくり、だけどそこには確実に「恋」がある。
そんな本を読みたいと思ったときに、この本が頭に浮かびました。
きっと今、このブログを読んで思い浮かんだ人、そして洋服を試着したときに思い浮かんだ人は、
あなたにとって、とても大切な人。
そんなことを教えてくれるのが、今日ご紹介する一冊です。
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。 幻冬舎文庫 尾形真理子
- 作者:尾形 真理子
- 発売日: 2014/02/06
- メディア: 文庫
<あらすじ> 『誰を思いながら、この試着室で新しい服に着替えるのだろう。』
ただ一緒にいられれば笑顔でいられたのに、些細なことでイライラしてしまう日々。
なかなか進展しない、訳ありの恋。
突然、自分の平凡さが目につき、彼の個性に憧れてしまう。
恋愛をしているといろんなことが起きて、時に不安になったり落ち込んだりしてしまう。
それは大人になっても同じで、ただ気持ちの対処法がうまくなっただけ。
5人の恋愛ベタな女性たちが通うのは、路地裏にあるセレクトショップ。
物静かで不思議な魅力を持ったオーナーと見つけた一着を着ると、
誰しもが自分の素直な気持ちと向き合うことができる。
大切な人を思い出して、『ありがとう』と伝えたくなる一冊。
<感想>
この本を読んで、私自身も大切な人を思い出しました。
今ではもう、すっかり遠い存在となってしまった人ですが、
今までの24年間生きてきた中で、確実に私を成長させてくれた一人です。
嬉しい気持ち、悲しい気持ち、楽しい気持ち、寂しい気持ち、今まで知らなかった
気持ちをたくさん教えてくれた人で、今の私にとって一番大切な人です。
この本は、5人の女性の恋が短編で綴られています。
いろいろな恋模様の中での、嬉しさ、楽しさ、悩み、迷い…
学生の時のような、ドキドキワクワク!な雰囲気ではないけれど、
それらの感情にすごく共感できます。
中でも、特に好きな文章があります。
「他にもっといい人がいるよ」とも言った。
それもわたしにはわからない。いるかもしれないし、いないかもしれない。
自分にとっての「いい人」は、自分で決めるしかないのだから。
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う(p.88) 幻冬舎文庫 尾形真理子
辛い失恋をしたときなど、周りの人は自分のことをおもってたくさんの言葉をかけてくれます。
そして、その言葉は、自分を前進させる糧になる時だってあります。
私も、辛い思いをたくさんして、たくさんの言葉をかけてもらいました。
でも、どんな言葉を贈ってもらっても、結局は自分の心が一番なんです。
辛くて、腹が立って、嫌いと思って…
それでも最後に出てくる感情が「好き」なら、好きでいてもいい。
周りからどんなに笑われようが、後ろ指さされようが、自分の気持ちは大切にしていいんだと思わせてくれました。
自分の気持ちに素直になったとき、行動するかしないかは自分が決めないといけません。
他人の言葉も大切だけど、流されず、自分の気持ちを大切に。
そんな気持ちに気づかせてくれた一冊です。
実は、この本はずいぶん前から気になっていた本でした。
以前も一度本屋さんに行って手に取ったのですが、ぱらぱらとめくって読んでも
あまりピンっと来ず、その時は本棚に戻したんです。
つい最近、冒頭でお話しした、私にとって大切な人とすごくそっくりな人に遭遇して。
自分ではもう大丈夫と思っていたけど、自分の気持ちに気づきました。
そして今回、この本を読んで、あの文章を読んで、大切な気持ちを思い出させてくれて、久しぶりに連絡を取ってみました。
今はまだどうなるのか、未来なんて何もわかりませんが、「ありがとう」を伝えたいなと思います。
私は、必要な時に必要な本と巡り合う、なんてちょっぴり思っているのですが、
皆さんはどうでしょう?
ぜひ、ご一読ください。
渚