本のある暮らし

読書ブログ

【本紹介】夜に駆ける YOASOBI小説集

こんばんは。
すっかり夏らしさは消えて、秋になりましたね。
朝晩は寒く感じるくらいです。
そろそろ、夏用布団をしまって秋冬用の暖かい布団に包まれて
ぬくぬくとしながら寝たいなぁと思う今日この頃です。






ここ二日ほど、大学院で使う調査票や授業の準備に使うレジュメを作成しないといけないのに
全く進められず、心が重くなってしまっていました。
読んでも分からない、楽しいと思えない本をたくさん読んで、自分の言葉で纏められるわけもなく…。
私は、先の見えない将来にすぐに不安になって、不安をなくすためにしんどい努力をする人間だと
最近やっと気付きました。
不安なのに、不安の上に更にしんどさを重ねて…。
いつまでも心が軽くならないわけだ、と思ってしまいました。
これからは、不安な気持ちを受け入れつつ、しんどいことではなく楽しいと思えることをして
不安と向き合っていこうと思いました。






心の重さを払しょくしたくて向かったのは本屋さん。
心が軽くなるような本を読みたいと思ったのですが、これといった本には出会えませんでした。

代わりに、本屋さんで流れていた曲が耳に入りました。
流れていたのは、YOASOBIの夜に駆ける。
元々、読書と音楽を聴くことが好きなのですが、夜に駆けるを聞きながらその本を見つけた瞬間に、
心が軽くなるどころか少し踊りだしてしまいました。
本や音楽など、言葉で人の心を動かしてしまうコンテンツの美しさや素晴らしさ…。
改めて実感しました。









夜に駆ける YOASOBI小説集 星野舞夜 いしき蒼汰 しなの 水上下波 双葉社

夜に駆ける YOASOBI小説集

夜に駆ける YOASOBI小説集






【あらすじ】『沈むように溶けていくように、二人だけの空が広がる夜に。』


彼女は「タナトス」に支配されている…。


はじめて君と出会ったのも、マンションの屋上だった。
可愛さと儚さを纏った君を見た瞬間、一目ぼれをした。
毎日寂しく一人で過ごしていた僕に舞い降りてきた天使。


ある日、君から連絡があった。
「さよなら」
この四文字だけで僕はすべてを察し、屋上へと走る。


君を救いたい、その一心だった。
屋上で君を手を取ろうとしても、君は跳ねのける。
そして君は言う。
「もう疲れたのよ」
「はやくしにたいの」

「僕も死にたいよ!!」

そう叫んだ瞬間、君は微笑んだ。
ああ、そうか。君は僕を連れていきたかったのか。


君は僕にとっての「タナトス」。
この手を離さず、二人で夜空に向かって駆け出す。


夜に駆けるを含めた恋愛ソング4楽曲の原作小説集。












【感想】






小説を音楽にするユニット」として広く知られているYOASOBI。
YOASOBIの曲は、ちゃんと知っているのは夜に駆けるだけでした。
好きな曲の原作が知れる。作曲家の思いが知れる…。
そう思った瞬間に、気付けば手に取っていました。




普段から音楽の歌詞の意味などをネットで調べたりして、
この言葉はこういうことを伝えたいのか…と感心します。
最近調べたのは、ヨルシカの「思想犯」。
一人の男性作曲家の孤独、心情を描いた曲ですが、意味を調べてみて
さらにこの曲が好きになりました。
意味を知ると、また違った聞こえ方がしてきます。




今回、この本を読んで改めて夜に駆けるを聞いた瞬間、
鳥肌が立ちました。
この小説を、言葉と音でこう表現するのか…と。




原作を知らずに聞いていたときは、男女が分かれそうになっていたが、
再び手を取り合い、変わらない日常を払しょくして歩き出すという曲かと
思っていました。
ですが、実際にはもっと深く、怖ささえも感じる意味が込められていて。
怖さと驚きから、口ずさみもせず、黙って聞いてしまいました。






夜に駆ける以外にもありますので、YOASOBIが好きな方はもちろん、
まだ聞いたことがないという方にも是非読んでいただき、
YOASOBIの曲を聴いてほしいと思う一冊でした。







ぜひ、ご一読ください。