本のある暮らし

読書ブログ

【本紹介】ちょっと今から仕事辞めてくる

こんにちは。

今日は一日仕事も休みで、朝から掃除したり、

本屋さんに行ったり、ビジネスの勉強を進めたり。

休みで、しかも晴れているとそれだけで気分がよくなってしまいます。

 

朝の時間がゆっくりと流れる部屋の中。

陽が部屋に差して温かくなる部屋の中。

少しずつ暗くなって、落ち着いた雰囲気を出す部屋の中。

 

そして外に出れば、少し冷たいけど外の空気が気持ちいい。

 

 

私の今の環境は恵まれているなと本当に感じます。

『自分の時間』がちゃんと取れるから。

それさえも叶わない人がいるのが、現代の実情です。

 

 

もし、今仕事で体力的にも精神的にも辛い思いをしている方。

もう消えてしまいたいとさえも考えてしまう方。

もしそんな方がいるなら、私はこの本の中の言葉を借りて、

こう問いたい。

 

 

「あなたにとって、会社を辞めることと、死ぬことは、どっちのほうが簡単ですか?」

 

 

 

 

ちょっと今から仕事辞めてくる 北川恵海 メディアワークス文庫

 

 

 

ちょっと今から仕事やめてくる

ちょっと今から仕事やめてくる

  • 発売日: 2017/12/01
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

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内容

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そこそこ名の通る大学をストレートで卒業。

サラリーマンに憧れなんてなかったけど、超一流企業から

内定をもらって、超一流企業に勤めることが僕らにとって

大切なステータスだった。

 

 

青山隆は、中堅の印刷関係の会社で働く。

毎日サービス残業、休日出勤当たり前。

毎日上司からの暴言が飛び交い、休みの日にトラブルが起これば

激高する上司から電話がかかってくるなんて日常茶飯事。

所謂、ブラック企業に勤めていた。

毎日に押しつぶされそうになりながら、辞めたいと思いながらも、

毎日毎日耐えていた。

 

ある日、隆はいつものように会社の帰りに電車に乗ろうと

ホームで待っていると、また上司から電話が。

 

「もういい。もう帰ろう。帰って寝よう。」

 

そう考えていたが、なぜか訳の分からないことを考え始めた。

 

“眠ってしまうと今日が終わる。

目覚めたときには、もう明日だ。

家に帰っても眠りたくないならいっそ、ここで寝てしまおうか。”

 

ゆっくりと目を閉じると、頭の中がふわふわしてくる。

地面もふわふわして、このまま気を失えばホームに落ちるかな。

 

“そうしたら明日、会社に行かなくても済むかな。”

 

 

そう考えていると、突然誰かが自分の腕をがっちりつかんだ。

驚いて振り返ると、そこには見知らぬ男が。

 

 

“久しぶりやな!俺や、ヤマモト!”

 

 

俺はこいつとどんな関係だろうか。

思い出しても、記憶の中にヤマモトという男はいなかった。

 

ヤマモトとの出会いは隆自身を、そして人生をも変える

運命の出会いとなる。

 

 

 

働く人すべての人に贈りたい。

スカッとしながらも、最後は泣ける一冊。

 

 

 

 

 

 

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感想

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・働くとは、生きるとは

 

私たちは、働くことでお金を得ている。 

お金がなければ、生きていくことさえもできない。

だから、世の中の人の多くは、嫌なことや理不尽なことがあっても

我慢して、ぐっと飲みこんで、笑顔でやり過ごす。

 

私の勤めている会社は、有難いことにブラック企業ではありません。

恵まれている環境だと思います。

それでも、理不尽なことは沢山起こる。

 

自分がミスしたわけでもないのに、客先や会社の中の人にさえに謝らないといけない。

時には怒られたり、嫌みを言われたりする。

 

確認しなければいけないことを聞いただけなのに、明らかにイラつかれる。

 

こんなことはよく起こります。

それでも耐えてきたのは、社会人なんて皆一緒で我慢しているし、

もっと辛い環境の中で働いている人がいるから。

現に、私のすぐ近くに、ブラック企業で勤めている人がいます。

だから、こんないい環境で嫌だのしんどいだのいっていてはだめだ。

 

いつもそう思っていました。

もちろん生きていれば辛いことはあるし、堪えないといけない場面もあります。

でも、精神的に崩れてしまいそうになった時、そこまでしてその会社に

いる意味はあるのか?本当にそこでしか生きていけないのか?

そう考えるようになりました。

 

正社員が当たり前。

そんな考えが世の中に浸透していますが、正社員じゃなくても

生きている人は沢山います。

世の中にその会社しかないわけでもなく、外に目を向ければ

沢山の会社があります。

今であれば、自分で稼ぐスキルを身に付ける場所だってどこにでもある。

簡単なことではないけれど、自分の人生なんだから自分の好きなように生きればいい。

 

命よりも大切な仕事なんてない。

 

そう思わせてくれました。

 

 

・二人のヤマモト

 

主人公の隆を助けた“ヤマモト”。

彼は、隆を助けたときに同級生と言って近づきますが、

実は同級生ではなかった。

では、なぜヤマモトは、見ず知らずの隆を助けたのか?

それは、彼の過去に関係してきます。

 

もし、目の前に死のうとしている人がいたら誰でも止めると

思いますが、どんな言葉をかけるべきなんだろう、と考えさせられました。

そして、頑張りすぎて崩れ落ちそうな人にどうすれば気付けるだろう。

 

 

私は、今でも後悔があります。

大切な人の、その時期に、その辛さに気付いてあげられなかった。

何度も何度も泣いて、自分を責めて、それでも周りはもっと頑張っているんだからと

自分を騙して。

周りには、もっと頑張れと言われ続けて。

もう、十分頑張っていたのに。もう、十分耐えていたのに。

 

少しづつ、だけど確実に崩れ始めていた心の変化に、気付くことが

できなかったんです。

話さないと分からないというのも事実です。

それでも、後悔してしまう。

 

 

ヤマモトが言った言葉の中で、一番心に刺さった言葉があります。

 

なあ、隆。お前は今、自分の気持ちばっかり考えてるけどさ。一回でも、残された者の気持ち考えたことあるか?なんで助けてあげられなかったって、一生後悔しながら生きていく人間の気持ち、考えたことあるか?

 

 

私は、残される側の気持ちを味わったときもあり、隆と同じ状態になってしまったこともあります。

自分の価値を見出せず、自分なんていてもいなくても一緒だと思って。

何度も消えたいと思って、母にそう伝えたこともあります。

 

自分のことしか、考えられなくなるんです。

頑張れと言われ続けて、一人で抱えてしまって、誰にも言えずに。

そして、行きつく先は広い空に解き放たれたい、そう考えてしまう。

 

 

あの時、自分の気持ちだけを考えて動かなくて本当に良かったと今でも本当に思います。

一番大切にしてくれた人を、一番大切にしたい人を、自分が一生の傷を負わせてしまう未来をつくらなくて本当に良かった。

 

 

逃げることは、悪いことでも恥ずかしいことでもない。

そう思わせてくれました。

 

 

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最後に

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働くこと、正社員でいること。

当たり前として世の中に浸透しているけど、あなたはそれで

本当に幸せですか?

当たり前の枠に、はまってでしか生きられないのですか?

 

あなたの人生は、あなたのものです。

誰にも決められないし、誰にも語ることはできない。

 

 

あなたがあなたの道を進みたいと思わせてくれる一冊です。

ぜひ、ご一読ください。

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。