本のある暮らし

読書ブログ

【本紹介】これからの生き方。

こんばんは。
9月に入りましたね。
台風が近づいていて、少し天気が怪しくなっています。
最近、自然災害が多いような気がして、すこし怖さがあります。
これ以上、平穏から遠ざかる出来事が起きないことを祈るばかりです。








突然ですが、皆様にとっての「自分らしい生き方」とはどのようなものですか?
別の質問をすると、「あなたが大切にしている軸」はなんですか?


私は今、なんとなくですがこれまでの自分の生き方を見直す時期にあるような気がしています。
これまでは何かと周りの目を気にして、「自分にとっての正しい」よりも、
「他人にとっての正しい」を何よりも優先してきました。

それは、時には親であったり、教師であったり、私に関わってくれている人だったりと様々です。
これまでの人生で、「自分で決める回数」が圧倒的に少なく、周りの意見ばかりを受け入れてきたので、
自分のやりたいことがわからないし、そもそも自分の気持ちがわかりません。
今でこそ本が好きということが分かりましたが、ほんの少し前まで自分が何が好きかわからず
とても苦しみました。
さらに、周りの意見を聞いてきてあまり大きな失敗をしてこなかったので、
必要以上に失敗を恐れてしまいます。

まだまだ自分のことが分からず他人軸な自分ですが、
こんな自分を変えて、自分の気持ちに素直に生きたい、
そんな思いから、今日ご紹介する本を手に取りました。



これからの生き方。  北野唯我 著 百田ちなこ 絵  世界文化社










【あらすじ】『自分はこのままでいいのか?』




講学舎(出版社)で働く小林望は、ある理想を胸に抱いていた。
理想を叶えるべく仕事に精を出し、孤軍奮闘していたが、
ある日同じ部署のシニア編集者と激しい口論、対立してしまう。
さらに、これまで自分が育ててきた特集の担当から外されてしまう。

自分への自信、プライドがこれまでの望を支えていたが、
理想と現実の狭間に立たされ、多くのことに向き合うこととなる。

多くの人との関わりの中で、望は自分自身と向き合い、
何が必要かを考える。
考え抜いた末に、望が思うこととは―――。







【感想】




この本では、実に様々な人物が登場します。
そして登場人物一人一人は、自分にとっての「軸」を持っているわけですが、
実際の社会でも、登場人物と同じ軸を持った人がいると思います。
会社というのは、様々な人が集まっていますから、
もちろん仕事への価値観が同じ人もいれば、全く違う人もいるでしょう。
「価値観の違い」は、受け入れることで自分の学びにもなりますが、時としてそれは対立を生み出すことになります。




私は、主人公の小林望とは価値観が全く違いますし、もし望が自分の会社にいたら、
分かり合えないだろうなと思いました。
望は、周りとの協調性よりも自分の道を進むタイプですが、
私は、周りとの関係を最も重要視しています。
お互いがお互いの考えを理解しようとし、受け入れなければ一緒に仕事はできないだろうなぁ
と思いました。

このように、登場人物に対してどう思ったかを客観的に観察することで、
自分がどのような考えを持っていて、何を大切にしたいのかが分かります。




この本の中で、心に刺さった言葉があります。
主人公、小林望が言った一言。

好きなことだけで生きていく道こそ、とてつもない高い技術が必要だからよ。

いい?つまらない仕事って楽なのよ。
なぜかというと、大して高い技術を磨かなくても、そこそこお金をもらえるから。
でも、そうじゃない仕事って大変なの。なんでかというと、皆やりたいからね。

これからの生き方。  北野唯我 著 百田ちなこ 絵  世界文化社(p.50~51)



仕事は生きていく中での重要な部分だと私は思っています。
一日の大半を仕事で費やす、ならば好きなことに関わっていたい。
ずっとそう思っていました。
今でもこの考えは変わっていませんが、果たして今の自分は好きなことで
生きていけるほどの努力をしているだろうか?と考えるきっかけになりました。
好きなことだけで生きていける人間は世の中で一握り。
その一握りに入るために今の自分に何が必要なのか、このままでいいのかを
真剣に考えていこうと思いました。



これからの生き方について。
このままでいいのかという不安。
自分の気持ちが分からない。
きっと、多くの方がたくさんのこと悩んでいると思います。
悩みは時に苦しく、自分をしんどくさせるものですが、自分と向き合うことは
決して無駄にならないと私は思います。
ですから、ぜひ時間をかけて向き合ってみてください。
私もまだまだ沢山のことで悩むと思いますが、一つ一つ丁寧に向き合っていきたいと思います。




ぜひご一読ください。